巻号ナイト 2巻1号通巻2号

 イベント告知です。
 「巻号ナイト 2巻1号通巻2号」というイベントをします。

 「漫画ボン」は1969年創刊。50周年をお祝いしての開催です。
 「漫画ボン」といえば、巻号史上に残る「ボンミス事件」(通巻100号まきもどし事件)の当事者(当事雑誌?)。事件はなぜおこってしまったのか? 50年をふりかえりつつ、問題にふれてみたいと思います。今回は巻号ネタは少なめになると思います。

ゲスト:「漫画ボン」編集長
出演:池川佳宏、稀見理都、白峰彩子
日時:2019年7月15日(月祝) 16:00~18:00(終了時間は予定)
場所:ブックカフェ20世紀
    東京都千代田区 神田神保町2-5-4 2F
参加費:1500円+1オーダー

申込は下記フォームより。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdsJl1g3NJD4edsWinXofcPAmekU91QsZnWUVoS4OsEGaYdVg/viewformdocs.google.com


※フォーム記入ではなく登壇者に何らかの手段でお伝えいただいても結構です。資料用意の都合によりお知らせお願いしております。


 以下、稀見理都さんの告知tweet
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 

「きのう何食べた?」におけるアイスクリーム

 よしながふみさんの「きのう何食べた?」(講談社)がドラマ化されました。5日(土)に第1回がテレビ東京にて放映。

・ドラマの公式サイト
https://www.tv-tokyo.co.jp/kinounanitabeta/

・ドラマの公式twitter
https://twitter.com/tx_nanitabe


 私は、第1話を視聴したところです。twitterにも書きましたとおり、今回のドラマのすばらしいところは、あのハーゲンダッツをマカデミアナッツと特定したところです。原作ではあのハーゲンダッツを食べるシーンはないので最後のシーンがしみじみとよいです。

 ということで、何食べのアイスクリーム登場シーンを見てみます。見落としあったらごめんなさい。通報お願いします。
 
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・1巻1話p.14 ハーゲンダッツ(種類不明)
・3巻24話p.150 バニラアイス(銘柄不明)
・4巻30話p.108 ハーゲンダッツ バニラ
・5巻33話p.12 ハーゲンダッツ マルチカップ*1
 種類は不明。2009年の25周年マルチパックパッケージを元にしていると思われる
・7巻49話p.14 「ベージュの物体」「アイスとシャーベットの間」
 食事前の献立全貌のカットより後に登場するため名称不明。手作りのアールグレイミルクティーのアイス的なものです。

 
 ハーゲンダッツが圧倒的優勢。そして3~5巻に集中しているのがわかります。
 現在15巻。6巻以降、ハーゲンダッツは登場しません。最近はデザートに果物が登場するので、これも好みの変化なのでしょうか。

 1巻のやりとりを見ると、コンビニで定価で買ってきたハーゲンダッツはこづかい扱いで、金曜二割引のハーゲンダッツは食費に入れてもよいようようです。
 が、4巻だと「お小遣いで買ったハーゲンダッツのバニラ(ハートマーク)」とあり、ハーゲンダッツは説明抜きで小遣い扱いになっています。*2
 
  
 そしてまんが版では、ケンジシロ家では市販品の場合、バニラアイスしか登場しません。ドラマでマカデミアナッツだったというのは、「いつもはバニラだけど高額でもあえて購入した」ということになります。

2日後の追記
 
 たれこみ募集していたら池川さんから情報いただきました。
 


 
 情報を元に探してみたところ、下記がありました。
 
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11巻85話p.81 棒つきアイス(フレーバー、銘柄不明)
 
 ネームはありますが、85話の扉ページにあたるところです。次のコマというかページというかになるとアイスは消えています。そしてそのままp.85まで(ケンジの両手が入っていても)アイスはないのですが、p.86になるとまたもどってきます。
 扉では立っている状態だったのがp.82では座って話し合う体制になっています。話している内容が、食費値上げという大事な内容ですのでいったん冷凍庫に入れたのかもしれません。ケンジが座っているのが冷蔵庫に近い席ですので、話し合いがひと段落ついたところですばやく取り出すのは不自然ではないです。
 
 この棒つきアイスは、形状からしハーゲンダッツではないです。なので、それより安い価格帯の製品と推定されます。
 やはりハーゲンダッツ マカデミアナッツがシロさんが激怒するレベルの贅沢品であるということはゆらぎません。
 
 11巻のアイスはどんなアイスでしょうか?
 絵を見ると特にまぜもののない淡色のアイスのようです。
 3巻4巻のバニラアイスはどちらかというと食材なんです。なので使いまわしのいいバニラだという可能性があります。
 こちらは棒つきなので、おそらく何かとあわせて食べることは想定されていないで購入されています。もちろんバニラの可能性もありますが、その他のフレーバーの可能性が高いと思います。


 以下、私の投下したtwitter発言。




 
 発言を補います。ハーゲンダッツ公式サイト https://www.haagen-dazs.co.jp/ にてフレーバー発売年表があります。
 マカデミアナッツは1996年発売。ですが、2016年に現行のマカデミアナッツに切り替わっています。下記サイトの写真が2013年時点のもの。現在のマカデミアナッツの写真とほぼ同じ色に見えますが、実物は現在のもののほうが白いです。
・2013年のフレーバーランキングのために作成されたマカデミアナッツの情報ページ
https://www.haagen-dazs.co.jp/flavor_ranking/st/flavor/?fid=016
・現在のマカデミアナッツの情報ページ
https://www.haagen-dazs.co.jp/products/minicup/macadamia-nut.html
 
 


 
 
 ↑にて紹介したとおり、何食べ献立一覧は下記サイトとwikiにあります。

・WAHEI~わが往くはドラの大河~
http://e-wahei.com/index.html

きのう何食べた? - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%81%86%E4%BD%95%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%9F%3F
   
   
  


*1:マルチパックではなく「マルチカップ」という名称を使用。

*2:1巻の活字部分が「こづかい」で、4巻の手書き文字は「小遣い」表記です。

トークイベントで紹介した作品

 本日下記イベントに登壇しました。

・イベント「今こそ読みたい戦後怪奇マンガ&『戦後怪奇マンガ史』」
   http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/archives/t_event93.html

 下記展示の関連イベントです。

・展示「米沢嘉博の『戦後怪奇マンガ史』展 〜怪奇・恐怖マンガの系譜1948-1990〜」
    http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-kaikimanga.html

 事前に登壇者からおススメをーというお題をいただいていました。固有名詞補完の意味をこめて、紹介した作品をまとめます。
 『戦後怪奇マンガ史』入っていないものだけど入っていてもおかしくないんじゃない?という基準で選びました。
 
 
(1)菅沼要、他「セクシー妖怪・怪人シリーズ」(「漫画Q」)

 これの前の「セクシー怪獣シリーズ」と内容上の区別はないが怪奇マンガイベントなら「妖怪」と入っていたほうがよいという判断。説明なんかより絵を見ればアホさが伝わるまんが。

 総集編別冊「セクシー怪獣大暴れ」があり、「セクシー妖怪・怪人シリーズ」「セクシー怪獣シリーズ」の2/3くらいを収録。この総集編は単行本化されているので読めます(現在は電子版あり)。こちらも説明するより絵を御覧いただければ魅力が伝わる作品。

セクシー怪獣大暴れ (モンド・エロチカ (No.01))

セクシー怪獣大暴れ (モンド・エロチカ (No.01))

 未収分は一部米トで読めます。

 掲載は「セクシー怪獣シリーズ」は1967.3.22−1968.8.21。「セクシー妖怪・怪人シリーズ」は1968.10.30-1969.11.26の掲載を確認。これ以降も掲載されている可能性があります。

当日紹介した図版の掲載号:
すべて「漫画Q」
1967.4.5 28号「キング・マンゴ対ファイティング・マラダ」
1968.11.13 69号「中絶女性を呪うダタイ童子
1968.12.25 72号「女の肌を狙うナメクジル」
1969.2.5 75号「女にたたる棒状化物 タッタリ坊」
1969.3.5 77号「魔人ハレンチン」

 
 
(2)伊藤まさや「美しい人間」(「ロリポップ」1986.2-1989.4)
 シークエンスをつなげたような美しい画面を見ていただきたく紹介。
 1回単行本の広告が打たれたものの刊行されず。「ロリポップ」をまんべんなく所蔵しているところはなく、所蔵館自体が少ないです。初回最終回を含めた一部が米トで読めます。*1
 

当日紹介した図版の掲載号:
すべて「ロリポップ
1986.2 第1回
1989.1 第30回

 
 
(3)山岸作品

 『戦後怪奇マンガ史』は山岸凉子さんについて3章にわたって記述があります。「ねむれる森の…」「ひいなの埋葬」「天人唐草」「黒のヘレネー」といった「ホラー」といって思いつくものからややはずれたものに紙幅をとる一方で典型的なホラー作品である「千引きの石」といった作品はとりあげられない……みたいな話をし、下記作品のタイトルをあげつつの絵をお見せいたしました。

「千引きの石」
「夏の寓話」
「愛天使」
「ストロベリー・ナイト・ナイト」
「ある夜に」
八百比丘尼
「黄泉比良坂」
「天鳥船」

 こちらの作品はすべて「山岸凉子スペシャルセレクション」(潮出版)で読めます。

https://www.usio.co.jp/html/yamagishi_special_selection/index.html
『II 汐の声』→「八百比丘尼」「天鳥船」
『III 神かくし』→「黄泉比良坂」
『VI 夏の寓話』→「夏の寓話」「千引きの石」
『VIII 二日月』→「愛天使」
『XII 妖精王2』→「ストロベリー・ナイト・ナイト」
『XIII 妖精王』→「ある夜に」

 
 
(+α)『ピーヨと魔法の果実』(しちみ楼)

 1980年代以前、というしばりを失念して選んでしまって削除したけど「最後にひとことー」の持ち時間を使って紹介したもの。
 現在、ホラーまんが専門誌がなく*2、ホラーまんがの連載がなかなか成り立ちづらい状況にあります。「りぼん」の「絶叫学級」シリーズ(いしかわえみ)が少女まんが誌のなかでは唯一の大きな作品といっていいのではないでしょうか。*3

 リイド社のウェブでホラーまんがの連載がいくつかあり、「恐ろし屋」というホラー専門のウェブ媒体もあります。ホラー作品の連載作品がいちばん多いのはリイド社ではないかと考えられています。

 そんな中でファンタジー枠で掲載されているのが「ピーヨ」です。かわいいけど怖いみたいな作品で、これも米好みかなあということでサラッと紹介しました。

    https://www.leed.co.jp/9784845851898
 
 



 
 

*1:私は個人的に稀見理都さんに読ませていただきました。

*2:「Nemuki+」を何と考えるかによってちがってきます。

*3:「Nemuki+」を何と考えるかによってちがってきます。

竹宮惠子監修 原画´(ダッシュ)展示シリーズ 「幻想と日常の間 〜西谷祥子・おおやちき・波津彬子」関連イベント

 「竹宮惠子監修 原画´(ダッシュ)展示シリーズ 「幻想と日常の間 〜西谷祥子・おおやちき・波津彬子」関連イベント」(長い)に参加してまいりました。
 末尾に公式サイトのイベント概要からのコピペを貼り付けます。

 今回のメモは竹宮惠子さん、波津彬子さん、佐川俊彦さん、東園子さん(司会)のトーク部分の重箱隅になります。

 「『JUNE』からやおいまで」というテーマで、この3名が語るというのでとても楽しみにしていました。期待どおりのたのしいイベントだったのですが、いくつか気になった点がありますのでメモします。
 とりあえずトークに出てきた事項を時系列にまとめたものを出します。
  
  

  
  
 以下、感想。

 竹宮さん、波津さんのJUNEに関わっておられた時期、フィールドが微妙にちがうので心配していたけれど、思ったより話はかみあっていた。当時の少女まんが業界のせまさを思うと当然かも。

 3人いるといつの話をしているかよくわからない。↑みたいなのを投影してほしかった(ので、作りました)(指摘を受けて修正しました)。
 データばかりでなく、さまざまな雑誌や「らっぽり」現物がばんばん映写されているのは迫力あり、うれしいところでした。

 波津さんとまつざきさんのJUNEからALLANまでトークがみたい。

 カセットJUNEの話は残すのはよい(佐川さんの意見)。誰かー。

 以下、ツッコミ。

・「ALLAN」の刊行時期

 「ALLAN」は、ほぼ旧Jと大Jのすき間にしか刊行されていなかったのではないかという話題でした。
 旧Jが1979年8月号まで、大Jが1981年10月号から。ということで約2年のブランク。
 「ALLAN」は1980年「OUT」11月号増刊からスタート。1984年6月号で廃刊。3.5年の刊行期間のうち、J誌まない時期はは約1年。2.5年は共存している。

・印刷について

 波津さん発言だったと思うのですが「当時はコピーしかなかった」というご発言があり。
 コピーがアオヤキか乾式コピーなのかが不明。「当時」とはいつかも不明。「本当にコピーしか印刷手段がなかった」のか「手軽な印刷手段がコピーしかなかった」のか。
 時期は、波津さんが同人誌にかかわっていらしたころかな、と思うのですがその「同人誌」とは何なのか。主宰のひとりだった「らっぽり」なのか、それともその前の「らっぽんぽん」なのか。

 言及されていないことをこちらが推測するのも意味ないので、「らっぽり」から離れて考えると、コミケでそれなりに大きいサークルだった「漫画新批評大系」は1975年のvol.2まで、「楽書館」は1978年No.55までアオヤキ……という状況。また、漫研QUEENや漫研風変わりな詩人たちあたりは1975年頃にオフセットの会報を定期刊行しています。
 「コピーしかなかった」という時代は「印刷所がない」という時代でもあるのですが、それも「同人誌印刷をひきうけてくれるところがない(他をメインのところに頼み込んでやってもらった)」と「同人誌印刷専門の印刷所がない」という場合があり、気をつけて聞かないといけないところです。
 ……ということから「コピーしかなかった」というのは1970年代前半より前になってしまうのですが、正解は?

 ここはもう少し情報がほしいところでした。
 また、居住地域、1〜2年の差でだいぶ話が変わってくるところなので他の方のお話しも伺いたいところでした(これはつっこみではなく感想です)。

コミケの男女比

 トークの流れとは関係なく、東さんが話題にだされたものです。私の記憶が正しければ、佐川さんが「7割8割くらいは男性だったんじゃないかなあ」という御返答をされていたように思います。
 この件、ずーーーーっと話題になって、そのたびにいろんなご意見の出るめんどくさいところなのです。この点、どうこう申し上げる立場にはありませんが、話題として出すのならば相応の覚悟というか準備を持ってふっていただきたかったです。

・「夜追」

 「やおい」の言葉がつくられるきっかけとなった磨留美樹子さんの短編ということで名前があがりました。波津さんは「ラヴリ」掲載とおっしゃっていたと思います。
 が、坂田靖子データベースの「ラヴリ」の一覧を見ても掲載されていません。他の関連同人誌ではないかとも思われますが、少なくともhaneusagiさんがリストアップされたなかにはありません。
 じゃあ、肉筆版じゃないの?とも思うのですが、磨留さんが参加されたのがオフセット版の2号からと思われるので、それ以前とは考えづらい。もちろん肉筆版かもしれないけれど、部外者の立場では確認しようがありません。
 未調査の「ラヴリ」がもしあれば、その可能性はあるものの、「ラヴリ」関連の何かではないか、という推測で止まらざるを得ません。
 「夜追」については「掲載誌を発見できないかぎり断定しない」もしくは「「ラヴリ」関連の何かではないか」くらいで止めておくべきと思います。
 
 



 
このイベント関係のtogetterまとめをつくりました。
 
波津彬子×佐川俊彦×竹宮惠子イベント
https://togetter.com/li/1229344
  

 
参考
 
『総特集 坂田靖子 ふしぎの国のマンガ描き』(河出書房)
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309276953/
坂田靖子データベース
http://haneusagi.la.coocan.jp/sakata/index.html
コミックマーケット30周年史『コミックマーケット30’sファイル』PDFの公開
http://www.comiket.co.jp/archives/30th/
コミケット30周年記念調査報告(P289-305)(PDF)
http://www2.comiket.co.jp/archives/30th/30th_289_305.pdf
米沢嘉博記念図書館 耽美の誕生展_2011年度
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-tanbi.html
図書の家 米沢嘉博の仕事:暫定版 版元別[掲載状況調べ]迷宮
http://www.toshonoie.net/shojo/05_list/yonezawa_works/yonezawa_list_before3_mk.html
楽書館 02/24: 機関紙16「創作 楽書館」52〜55◇1978
http://rakugakikan.main.jp/index.php?itemid=2175&catid=7
ぶどううり・くすこ「ALLAN(22冊揃)」(PDF)
http://xqo.ooh.jp/cc/by-nd/ALLAN01-15_01-07.pdf
 
 
2020年7月26日追記
 こちらのトーク内容は「こころ」Vol.43(平凡社、2018)に掲載されました。


2023年2月4日追記
京都精華大学国際マンガ研究センター年次報告書2018」に「イベント開催記録:「佐川俊彦×波津彬子×竹宮惠子 トークイベント 『JUNE』からやおいまで」が掲載されています。PDFでアップされており、全文読めます。
http://imrc.jp/publish/other/index.html

「イベント開催記録:「佐川俊彦×波津彬子×竹宮惠子 トークイベント 『JUNE』からやおいまで」(pdf)
http://imrc.jp/images/upload/publish/other/data/report2018-05.pdf

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ポーの周辺

 本日、大劇場行って得てきた知見を流します。公演そのものの内容、萩尾情報はありません。

※文中の「劇場外」というのは改札外であって、厳密には大劇場の施設内です。「改札」その他施設名称は↓参照。
    http://kageki.hankyu.co.jp/theater/takarazuka/floormap.html
 
・パンフレット

 まず、おさえておきたいのがパンフです。パンフはムラは舞台稽古写真、東宝は舞台写真が使用されます。内容が異なります(東のパンフは西でも購入可能。逆も可能)。関東の人はムラで迷ったら買わずに東京で買うという手があります。
 パンフには萩尾先生ご本人の寄稿があります。イラスト8点も掲載されています。すべて1970年代の扉絵からの流用で描き下ろしではありません。
 パンフは劇場内に専売の窓口というかカウンター的な場所があるので、他のグッズを求めないのであれば劇場内の購入でよいと思います。
 
・グッズ

 パンフ以外のグッズはキャトルレーヴです。キャトルレーヴ以外も宝塚グッズを扱う店はありますが、確実に全種類入るのはキャトルレーヴになります。
 公演グッズ一覧はこちら。これ以外にCD、DVDなども販売されます。
    http://www.tca-pictures.net/quatre/stage/475.html
 公演グッズ以外に生徒さんのグッズとして絵葉書・ブロマイド・舞台スチールなどがあります。
 
・関連本

 グッズ以外にも「歌劇」「宝塚グラフ」「ル・サンク」といった宝塚の専門誌に記事・写真が掲載されます。本公演の情報以外にも新人公演の座談会などもあったりしますので、ポーの文字がないかどうか中をチェックしてみないとわかりません。
 ただし、「歌劇」「宝塚グラフ」「ル・サンク」などに掲載されるのは公演情報です。小池先生の意図などがここでわかったりして有益な場合もありますが、萩尾情報はそんなに掲載されないと思います(たまに座談会に呼ばれたり、「ご観劇」が記事になったりしますので注意が必要です)。
 
・菓子

 また、グッズではありませんが「宝塚大劇場 オリジナル菓子」というのがあり、公演ごとに制作されるものがあります(リンク先PDF)。
    http://kageki.hankyu.co.jp/theater/takarazuka/pdf/revueshop1_goods.pdf
 キャトルレーヴではなく、「レビューショップ I」で販売しています。

 
・各種限定メニュー

【「ラウンジ」「フルール」】
 「花組のおすすめ」というメニューが販売されています。「紅茶のムース バラの香りを添えて」「バラのムース」「唐揚げ」「パニボア入りミニスコーン」の4種類です。
 大劇場内1F「ラウンジ」で全種類、劇場外「フルール」でデザート2種販売していました。各400円。

【特設カウンター】
 「公演特別ドリンク」が劇場内2F「特設カウンター」で販売されています。今回は「バラのエナジー」(アルコール)、「ローズミルク」(ノンアルコール)の2種類。各800円。
 カップに「ポーの一族」とロゴが入っていて、お持ち帰り用のビニル袋もありますが、洗う手段はないものと思ってください。

【「フルール」】
 劇場外「フルール」では「公演セット」を販売。「スープ バラ色のスープにパラの花びらを浮かべて」「メイン 3種のポークのチーズとバジルソース」「サラダ」「パン」「バラの紅茶のゼリーとカクテルフルーツ」という構成。1200円。

【「フェリエ」】
 現地では気づいてなかったのですが、検索により発見。
 フェリエで公演をイメージしたメニューを含む「公演ランチ」「レビューランチ」が提供されています。
 下記ページより引用。
    https://kageki.hankyu.co.jp/theater/takarazuka/ferie.html

公演ランチ 2,150円

・オードブル びんちょう鮪とエビのバラ仕立てバジル風味
公演ポスターをイメージして、びんちょう鮪、エビ、トマトを使いバラに見立てた一皿に仕上げました。

・メイン料理 豚肩ロース肉の煮込みトマトとビーツのボルシチ
ビーツとトマトのソースで赤いバラをイメージした豚肩ロース肉の煮込み料理です。バラ風味のサワークリームボルシチ風に仕上げました。

・パン または ライス

デザート フランボワーズショコラタルト  
ポーの一族』に因んで、バラの形のデザートをご用意しました。ショコラタルトにホイップクリームを絞り、バラ型のフランボワーズムースとリーフに見立てたチョコレートを飾りました。

・お飲み物 コーヒー または 紅茶 または バラの紅茶   
 
レビューランチ 2,600円

・オードブル マリネサーモンとアボカドのセルクル仕立て 赤ピーマンソース
バラをイメージし、マリネサーモン、アボカド、クスクスを三層に重ねました。赤ピーマンのソースでお召し上がりください。

・メイン料理 牛フィレ肉のポワレ 温野菜添え 赤ワインソース
牛フィレ肉のポワレに各種温野菜を添え 赤ワインソースで仕上げました。

・パン または ライス

デザート フランボワーズショコラタルト

 
 




 大劇場も東宝も行けないという方は全種類ではありませんが、グッズ通販あります。
    http://www.tca-pictures.net/quatre/

戦後怪奇マンガ史

戦後怪奇マンガ史

戦後怪奇マンガ史

 
 米沢嘉博さんの『戦後怪奇マンガ史』が鉄人社さんより刊行されました(22日発売)。

 米沢さんがホラーまんがが好きなことは知られており、雑誌「ホラーハウス」で書き継いでいたのが「戦後怪奇マンガ史」「恐怖マンガの系譜」です。なんで2タイトルかというと、いったん連載が中断しているからです。はじめは通史っぽくはじまり、中断後は作家論となっています。

 有里さんがまとめられた掲載状況は下記。

怪奇幻想マンガリスト作成室
[資料] 米沢嘉博「戦後怪奇マンガ史」副題リスト(2007/9/11)
http://gensou-japan.g.hatena.ne.jp/alisato/20070911/

 私はこの連載の全貌は長らく知らず、掲載誌を所持されている方からコピーをしてもらってやっと読みました。『日本幻想作家事典』(国書刊行会)の作業の時に皆にまわしたりも。

 今回の刊行について私は少しは語る資格があると思っているのは、単行本化企画をいくつかの出版社に持ち込んでいたからです(3社ほど没になりました)。
 新批評大系掲載の水木論とのあわせ技の内容で、鉄人社さんの本とは別の目次案を作っていました。私の企画は採用されずに終わったのですが、いろんな人に出せるといいなという話をしており、その後いろいろ流れていって、赤田さん編集のかたちになって実現されました。

 なので、鉄人社さんの企画と私は関係ないし、米沢さんの書いたものあっての企画なので、私が何かやったということはありません。
 今回もたいしたことはやっていないのですが、名前が入ったのはそういう御縁です。

 今回、手にとってまず感動したのは判型です(いや、だって内容はもう知ってるから)。新評社のマンガ史三部作とならべて違和感のないサイズ。今どきこの判型の本はあまり出てないのであえてだと思います。赤田さんの米やん愛を感じました。そしていかにも「ホラー」というカンジのデザイン。

 生きているうちに出ていたら加筆され、別のかたちになったと思います。けれども今出せる最良のかたちであると思います。
 ほとんど関係のない関係したもののひとりとして、この本の刊行をよろこびます。

湯田伸子さん

twitterで書くつもりでしたが、長くなったのでこちらにアップ。

 湯田伸子さんの訃報に言葉も出ない。

 ……といいつつ書くと湯田さんといえばまず「大島弓子のフォロワー」として名前があがる。単行本「グッドラック」あたりの絵だけ見るとたしかにそうだろう。しかし、その作品は大島さんとは別の個性があったと思う。

 湯田伸子さんを最も初期に知った人はおそらくお茶女漫研の会誌「ばるぼら」の読者だろう。現在の柴門さんと共に目立つ存在だった。当時同人作家をさかんに起用していたJUNEに描いたのは(当時の人脈からしても)ごく自然ななりゆきだっただろうと思う。

 ふたりとも描いた媒体としては「ギャルコミ」「ギャルズコミックDX」(主婦の友社)もある。柴門さんは「みんなでデイト」等イキのいい作品を描かれてましたが、その後青年誌に主軸を移されます。同誌は大島さんもたくさん描かれているので、湯田伸子さんといえばこちらからの印象が強い方も多かったかと。

 湯田伸子さんは正直絵がうまい作家さんではないと思うのですが、絵で敬遠するのはもったいない作家さんです。ぜひ読んでほしい。
 「雲雀」の抒情性、「相聞」の芥川のふまえ方のみごとさ。「時のオルフェ炎の道行」はSFとしても評価の高い代表作といっていい作品ですが、この作品を文字で説明するのはむずかしいです。読むとわかるんですが本当に「時のオルフェ」で「炎の道行」なんです。どの作品か忘れたけれど高校のパソコン愛好会?が出てくる作品はかなり早い実在PCの登場するまんがではないかと思います。

 私にとって湯田伸子さんの印象が強いのはBELNEさんもあげておられる「小説JUNE」のエッセイです。毎回のテーマの選択は知的。しかし内容は妄想まじりの愛のある読みやすいものでした。湯田さんはSFファンで読書家でミーハーでいろいろなものに対する愛のある方で、それがよいかたちで作品に消化されていた。そういう作家さんだと思う。

 最後にこれを書くきっかけとなった姪御さんのお知らせのつぶやきとBELNEさんのコメントを引用します(私のアカウントでRTしたものです)。
 

やおい穴イベント(補足編)

 昨年1月に行われたやおい穴会議&雄っぱい会議が書籍になるそうで、めでたいことです。

http://d.hatena.ne.jp/mtblanc/20140116
http://d.hatena.ne.jp/mtblanc/20140117
http://d.hatena.ne.jp/mtblanc/20140612
http://d.hatena.ne.jp/mtblanc/20140614
 
 いまさらのように「イベント会場で受が自前の液体を分泌している作品があるという話題になったが、どの作品か」という問い合わせがあったので、お答えします。

 17日のトピックをまとめたときは、考察主体にするため具体的描写の引用は最低限にしたのでした。なので、実在のものとは挙動が異なるという程度にとどめていました。

 体液を分泌している可能性が高いと思われるのは下記の3作品です。
 

潤みきった場所
『恋愛トライアル』(杉原理生/ビブロス ビーボーイノベルズ/2000年12月発行)p.231

やわらかく潤んでいた入口
『挑発の15秒』(秀香穂里徳間書店 キャラ文庫/2005年1月発行)p.118

いつの間にか彼を迎え入れた粘膜は、最初よりも潤っていた。体の奥から熱いものがにじみ、襞の表面を伝い下りてきて、その感触に体が疼く。
『ご主人様と犬』(鬼塚ツヤコ/リブレ ビーボーイスラッシュノベルズ/2007年6月発行)p.253

 
 いずれも内部に入れられた精液や潤滑液の描写のない場面で、「いったい何で潤んでいるのか?」という説明はありません。自前の液体の可能性が高いと判断しました。
 

新井理恵「ヨタ話」の未収録についてのメモ


 新井理恵さんに「ヨタ話」という作品があります。「デラックスベツコミ」「ベツコミ」に掲載&連載中。単行本は以下の2冊。

『ヨタ話』

ヨタ話 (Betsucomiフラワーコミックス)

ヨタ話 (Betsucomiフラワーコミックス)

『ヨタ話 おかわり』

 twitterで下記のような投稿がありまして。
https://twitter.com/cotton143/status/506730152378638336

 @cotton143 さんご自身が2012年から出回っている画像であることも調べられたようです。

 これを見てすぐに「ヨタ話」であることはわかりました。とりあえず出てくるところにあった『ヨタ話 おかわり』を見たところ収録されておらず。ならば『ヨタ話』かと思ったらそうでもなく。

 図書館へ行って掲載誌を確認したところ、流布されていた絵は「デラックスベツコミ」2012年初夏の超!特大号に掲載分にありました。
 
 だいたいのことはtwitterでもつぶやきましたが、「デラックスベツコミ」2012年初夏の超!特大号を入手したので、どこが未収録かさらに書きたいと思います。
 
※以下ネタばれありです。

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