- 作者: 中野晴行
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本
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・『謎のマンガ家・酒井七馬伝 「新宝島」伝説の光と影』(中野晴行/筑摩書房)
読了。22日の段階では、Amazonで書影も入ってなかったのが入りました。
基本的に本(特にご存命の著者の)の感想は書かない(し、書く能力がない)のですが、もうすこし詳しい紹介をしたいのでガイドとしてお役に立てるかどうかはともかく簡単なメモを。
一部の少女まんが以外は読まないので、酒井七馬について知っていることといったらゼロです。最近、懐漫ミーハーなので1950年以前のまんがについて初心者でも読めるものはなんでも歓迎というところがあるので、守備範囲外ながらもいそいそと購入。もちろん、
・『新寶島』の共著者
・不幸な晩年であったらしい。餓死。
・『マンガのかき方』(編著/西上ハルオ)の監修者(これは所持しているため)
というような程度の認識はありました。私のアタマの中では「新寶島」→「マンがのかき方」という飛び方をしています。
餓死については、この本に引用されているとおり鴨川つばめインタビューが記憶にあったのかな。最初に目にした(耳にした)のがどこなのかは記憶がないです。
三部にわかれています。
>> 第一部 生いたち・マンガ・アニメ・終戦
>> 第二部 焼け跡・『まんがマン』・『新寶島』・赤本ブーム
>> 第三部 紙芝居・絵物語・テレビアニメ
まず、最初に中野さん自身がどういうやり方で酒井七馬の近辺へたどりついたのかが明かされます。そして生活人・酒井七馬がどういう人なのかが説明されます。ただ、ここは個人的には系図がほしかったです。誠二って誰だっけというようなカンジで頁をもどることが何度か。
そこから章立てのとおりに進み、まんがファン大半の関心事『新寶島』のこともきっちりと書かれます。と、いってもどの章に関しても資料は限られていますから推測を入れざるを得ない部分がどうしても出てきます。資料と推測を誠実に書き分けているところもいいところだと思いました。
最後のからまわりしてしまう部分は読んでいてもくるしいところでした。最後に出てきたお弟子さん(七馬側の認識)の名前はおどろきました。人は意外なところでつながっているなあ、と。
追記:
「酒井七馬伝」をAmazonで5000位以内にする運動にひっそりと参入。人の来ない場所の紹介がお役にたつとは思いませんが、とにかく賛同の意思表明ということで。
非常に読みやすい本ですし、これまでにない本です。図書館リクエストでもいいのでぜひお手にとってみてください。