少女マンガジェンダー表象論―“男装の少女”の造形とアイデンティティ
- 作者: 押山美知子
- 出版社/メーカー: 彩流社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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・『少女マンガジェンダー表象論 〈男装の少女〉の造形とアイデンティティ』(押山美知子/彩流社)
めずらしく書くモードなので、メモを作成。
購入&読了しました。労作。ひとつひとつの作品ていねいに読み取ったもの。絵を見ればわかるだろうというようなことを、すべて言語化し、「見た感触」の個人差をできるかぎりなくしているところがまず大変よいところ。読み取りに飛躍はなく、前から順番に読めばわかるようになっています。私は作品の読み取りは興味ないのでそのあたりは書けません。
以下、重箱の隅部分で気づいたことを。
p.011 1953年なら版元名は「株式会社大日本雄弁会講談社」ではないでしょうか?
p.037 「なかよし」はマンガ誌として創刊された訳ではなく、幼女のための総合誌。「視覚的な娯楽」はマンガだけではないと思います。
p.093 "黎明期少女マンガ"という言葉が出てくるが黎明期の説明はあったのか? p.094を読むと「五〇年代半ばから六〇年代前半にかけての少女マンガ」と「黎明期少女マンガ」がイコールであるかのようにも読めるものの、そうだとしたらp.083で月刊誌時代、週刊誌時代についてきっちり書いていた区分とのズレが気になることに。この論文(博士論文です)を読むような人はわかっている術語なのかもしれないけれど、一般単行本の読者としては何か説明がほしい。・・・・・・って、これは単なる私の見落としかもしれません。
p.104 峯岸ひろみが水野英子と近しいことは、推測などしなくても『晴れた晩には魔界が見える…』(東京三世社/1980)のコメントを見れば明らかではないかと。
p.131 "(22)米沢嘉寛"は"(22)米沢嘉博"の誤植と思われます。
p.157 "ツヴァイクの原作"とあるが、p.156に書かれているとおりなのだから「原作」とするのは適切ではないのでは?
ざっと読んでのメモなので見落としがあるかもしれません(ご指摘いただければ修正いたします)。