とりあえず9誌

 4月28日付で大阪府はBL雑誌を含む11誌を有害図書に指定しました。
 同人誌生活文化総合研究所さんが大阪府青少年課の担当者の方に電話してBL誌のどこがひっかかったのかを聞いてくださいました。現時点最新5月7日の記事です。
  http://www.st.rim.or.jp/~nmisaki/

 私自身は性器描写が細密でなければいいんじゃね?(修正してあればよい) くらいのつもりでいたので、この表を見るまではなにがひっかかるのかわかってませんでした。大阪府基準で言うとパターンDは完全除外対象、パターンB&パターンCは基本OKだと思ってました。

 んでもって、まずは指摘箇所があきらかなBL誌6誌を見ました(2誌*1は現時点では未入手)。

 指摘箇所を実際に見てみるとたしかに「これをチビッコが見るのはいかん」と思うのもムリもない描写がほとんどでした。個人的に不愉快なものは1点たりともありませんでしたが。
 もちろん、あがっているページよりハードなんでは?という描写のある部分がスルーされているのはありましたので「なぜこの3ヶ所?」という疑問は湧く内容ではあります。でもこれは担当者次第な部分だし、検閲ではない、つまり全部指摘することに意味があるものでもないので、そういう見落としっぽく思われる箇所が出てくるのは予想の範囲内。

 細かいレベルでは納得しがたいところもありますが、おおむね「まー、これを規制したがる人はいるでしょうね」というものであったと思います。

 次に「TL」3誌。

 なんで 「」 でくくったかというと、指定を受けた「Young Love Comic aya」と「恋愛美人if」はレディースだからです。つまり大人の女性むけの雑誌であり、18歳以下の読者は基本的には想定されていない雑誌なのです。内容を見てみても、同じ指定を受けた「絶対恋愛Sweet」は、高校生が主人公であり相手役なんですが、この2誌に掲載されている作品(別冊ふろく含む)はすべて働く女性が主人公で相手役も大人です。
 行為描写も「絶対恋愛Sweet」と「Young Love Comic aya」「恋愛美人if」では明らかにちがいます。「絶対恋愛Sweet」掲載作は脱いだ後(特に結合に入ると)、下半身はほとんどコマの外でした。
 レディース2誌は表紙にきちんと「ADULT」とか「オトナ」とかいう惹句が入っていて、若い子ちゃんむけでないことはわかるようになっています。書店でもハーレクインなんとかとつく雑誌と一緒に並べられているはずで、18歳以下の子は買わないと想定されているものではないでしょうか。とはいえ、成人マークが入っていないのも確かなので「子供も買える」と言われたらそのとおり。しかし、それを言い出したらレディース誌もすべて対象になってしまいます。「これまでのレディースコミックの指定とは同じレベルでやっている」そうなので、「レディースコミックの指定」の基準でレディースコミックが指定されたってだけなんで、指定としてはまっとうなのかもしれません。しかし、青少年健全育成条例を前面に出した今回の指定で入ってしまったのは、この2誌の表紙絵がカワイイ系だったのが理由としか思えませんでした。
 こちらの3誌はどこが指定されたのかはわからない*2のですが、それなりにハードな描写はたしかにありました。が、10代の子がまず買わないであろう雑誌まで指定するには違和感をおぼえました。

*1:「Boy’SLOVE」「花音増刊 ボーイズキャピ!’10春」

*2:電話で聞けば教えてくださるのはわかっています……