NDL資料のデジタル化 その4

 4まで書く気はなかったのですが、気づいてしまったので簡単に。
 新NDL−OPACの件ではありません。こちらはまだ未完成なようなので、安定するまで様子見中。

 「美術新論」(美術新論社)という戦前の雑誌がありまして。割とフツーの美術誌(ややプ寄り)なんですが、漫画関連の連載や記事があったりして、漫画に好意的な雑誌です。つうか、このころの漫画って大人のものですし。
 それに「漫画號」というのがあり、それは何巻巻号か?というつぶやきをみかけた訳です。
   https://twitter.com/#!/smallboxman/status/140299417956782080

 で、そんなのデジタル化資料の検索http://dl.ndl.go.jp/#magazinesですぐにみつかるわーと思い、検索。

 その時は7巻7号ではないかと思いました。当該号の目次は以下のとおり。

7(7)(69) [112]
表紙素描 / 葛飾北齋/表紙
作家言/中川一政
室?裝飾品では是れが第一 / 南?造/p2〜2
畫家と大道藝人 / 社?/p3〜3
街頭雜觀 / 齋藤與里/p4〜8
街頭美術座談會 / 東光會同人/p10〜16,18,20,22,24〜31
街頭の招欖藝術に就て / 古田立次/p32〜35
漫畫の藝術上の地位 / 長谷川如是閑/p40〜44
新聞漫畫漫語 / 鈴木文史朗/p46〜48
婦人雜誌の漫畫を主として / 山?神斧/p50〜51
體驗から來た漫畫論 / 岡本一平/p52〜58
ジャーナリズムと漫畫 / 池部鈞/p60〜62,46
漫畫家の生活 / 前川千帆/p66〜68
噴泉/p36〜39
寫生地/p74〜84
喝/p81〜84
ドーミヱと語る / 服部亮英/p72〜73
スポーツ美術 / 福原洋吉/p74〜80
巴里だより / 松尾邦之助/p86〜91
チャツプリンに國展を觀せる / 宮田重雄/p92〜93
革命の畫家ヱドアール・マネー / 熊岡美?/p124,126〜130,132,134〜135
現代美術家とは何か / 松尾邦之助/p136〜138
靜物畫と風景畫 / 高間惣七/p139〜142
原色版
口繪

 ね、漫画號っぽいでしょ?*1

 で、年があけてから現物確認してみたところ、「漫画號」は2巻8号でした。
 なんでこんなことがおきるのかといいますとですね。目次採録で、特集記事が「特別記事」としか入力されていないんです。
 以下、2巻8号の目次のコピペ。

2(8)(10) [90]
作家言/小杉未醒
家 / 齋藤與里/p2〜2
夏期講習會――社?/p3〜3
漫畫小論 / 齋藤與里/p4〜9
フランス近代畫の搖籃 / 大久保作次觔/p10〜11
エル・グレコ / 小池正雄/p12〜19
浮世繪版畫に於ける裸體畫 / 武井樸介/p20〜28
特別記事/p38
隨筆/p88〜99
展覽會/p102〜107
講座/p108〜121
雜件
滯歐の思ひ出/p124〜130
原色版・寫眞版

 4〜9ページの「漫畫小論」(齋藤與里)は、特集外です。
 「特別記事」は50ページに渡って、31本の記事や作品が掲載されています。細かい作品も多いので、口絵類と同様でまとめてしまったのかと思われます。しかし、5本ほどですがけっこうまじめな記事もあります。これを採録せずしてどーする?と思います。
 戦前の漫画論をたどりたくても、これではたどりつけません。

 実見が鉄則なので多くは望みませんが、せっかく目次採録をしたのだからもうすこしなんとかならなかったのかなーという感想は持たざるを得ないです。

 末尾にふたつの号の目次キャプチャをつけます。

 

「美術新論」7巻7号目次

「美術新論」2巻8号目次

*1:一部、正字になっているところが文字化けしています。以下同。なるべく環境に左右されない入力を望みます。