とりいそぎ2

●児文財団のサイト
 が開設されました。
   http://www.iiclo.or.jp/hp/top.html

 特に見ていただきたいのは「財団にお寄せいただいたメッセージ」です。豪華メンバーによる心のこもった応援メッセージです。

 また、「第2代理事長 司馬遼太郎語録」も必見。現在、「心のための機関」「"絶対"と児童文学」のふたつの文章がアップされています。
 「心のための機関」は、タイトルどおり心のための機関である児文の意義を述べたものです。
 「"絶対"と児童文学」は、なぜ日本で、大阪で児童文学を研究するのかが述べられています。
 両方ともパブコメとして送りたいくらいの内容です。


●まえおき

 私の送ったパブリックコメントを公開いたします(はてダの記述にあわせて改変した部分があります。内容は同じです)。
 言い訳になりますが、急いで送ったのでなんだかまとまってません。出来はよくないのでみなさんの参考になるかどうかわかりませんが、こういうのは数も必要かと思うのでアップします。

 言い訳ついでに3番めの項目についてはつっこまれる前に書きます。児文は行政区分としては図書館群(教育委員会の管轄)に入っているので、博物館の属する文化振興(生活文化部の管轄)とは厳密には別モノなんですが、気になった部分なので組み入れました。
 末尾の理想については、けっこう本気です。よりよい大阪府にしていくことと児童文化をいちばん底の部分で支える児文をあらまほしいすがたにしていくことは共に大きな理想なくしてはできないものと思っているので書きました。もちろん、一緒にするなと思う方はたくさんいらっしゃるでしょうが。

 私はアタマが悪いので、「お金がないから仕方ない」と言われると「ちがうんだけどなー」と思いつつ反論を言葉にできていませんでした。すくなくとも私は生活がくるしい時ほど、税金は文化にまわしてほしいです。自分のお金で本が買えないくらい追い詰められた時にこそ図書館があってほしいし、たのしい本を読みたいです。

 そういう思いを抱えていたので、津原泰水さんの書き込みはうれしかったです。
   http://6020.teacup.com/tsuhara/bbs/582
 極端な意見だとは思いましたが、「お金がないから」で黙るしかないというムードをこわしてくださったという意味でとてもいいと思います。

 と、いうことで、

●私のパブコメ

マンガの研究をしている者です。
大阪府立国際児童文学館の廃止を考えておられることを知りました。
1979年に鳥越信さんが資料を寄贈されて以来、30年ちかくの長い間にわたって収集・整理・公開につとめてこられた大阪府に敬意を持ってまいりました。今でこそマンガを扱う公の施設はめずらしくありませんが、1970年代の開館前の時点でマンガを収集の視野に入れられたところはありませんでした。国際児童文学館は早くから誠実に収集にあたっていたおかげで、上野の子ども図書館にもない資料をがあり、たいへんありがたい施設となっています。
今回、公表されました「「大阪維新」プログラム(案)」を拝見して、気になるところがございましたのでパブリックコメントとしてこの文章をお送りさせていただきます。

これまで寄贈した方たちへのご説明を
国際児童文学館の資料は、児童文学を含む子供の文化の研究のをする施設だからこそ寄贈されたものと認識しております。寄贈者の方々に対する資料の今後の方向性をお示しください。

本当に代替施設で代替できるのでしょうか
国際児童文学館の設立趣意書を確認させていただいたところ、図書館的役割はその役割の一部にすぎませんでした。図書館機能ではない部分については、どのように代替なさる予定なのかもう少し詳しいご説明をお願いします。
例えば、梅花女子大学の児童文学・絵本センターは「一般府民の利用可能」とのことですが、イベントは誰でも参加可能であるものの、資料の利用に関しては制限があり、とても誰でも資料を利用できる施設とはいえないのではないでしょうか。

大阪府文化振興会議への諮問等の様子や結果は公開されていますか
今回の廃止、統合は文化の振興に関する重要な施策に入るかと思います。とすると、大阪府文化振興条例に則った「大阪府文化振興会議への諮問等」は当然ながら行われたと思います。が、府外に在住しているせいか、諮問の情報が入ってきません。もし行われているのであれば、わかりやすい場所での諮問の様子、結果等の情報の開示をお願いいたします。

資料の並べ方を変えないで下さい
現在の府案では資料は図書館へということになっています。国際児童文学館の資料整理の方法は、図書館とはちがう方法を取られています。それ自体が研究成果として、今後、他の文学館資料館などで参考にされていくべきソフトとしての、国際児童文学館の最も重要な財産のひとつです。もし、移動させる場合はどのような並べ方になるのでしょうか? 研究成果である現在の並べ方を変えないようお願いいたします。

今一度、現在の場所での存続のため、再考の時間を下さい
図書館と統合するとしても、統合期間があると思います。統合整理し、資料が見られない期間を作ることよりも、現在の場所でのよりよい存続のため再考する時間が欲しいと思います。
子供時代は短いものです。移動から再公開まで、ほんの数年とお考えかもしれませんが。豊かな文化資産がありながら、ある世代だけそれに接する機会が奪われるというのは大きな損失です。
今一度、模索する時間をいただけたらと思います。

 
国際児童文学館は、日本の子供文化の基盤となる大きな理想の施設です。府案を拝見して、よりよい大阪へむけての意思が感じられました。かつて、子供の文化のために国際児童文学館を設立された時と同様の大きな理想をもって描かれた案と存じます。どちらも達成することができるよう遠くからではございますが、応援させていただきたいと思っております。

よろしくお願いいたします。