展示「地上最大の手塚治虫」

 本日午前中に行ってまいりました。サラッと見て退館するつもりが映像を見たり、まじめにクイズに取り組んだせいか2時間ほどかかりました。1コーナーに常時人が2〜3人はいるカンジだったので平日の割には人がいたかも。

 生身部分の紹介(生い立ちや仕事場。エピソードの紹介)、時代背景(が感じられる作品)、代表的なキャラクター(とスターシステム)、原画でBJ1話読めるコーナー、交友関係、主な作品、トリビュート、ファン……といった構成。まずはコーナーごとの感想。

・生身部分の紹介(生い立ちや仕事場。エピソードの紹介)
 年表や初期ノート類、愛用の品、ある月のスケジュール(70年代後半だったと思う)など。この手のコーナーとしては写真が少ないかな。BJ創作秘話の原稿も(秋田書店蔵となっていたけどホントなの?)。

・時代背景(が感じられる作品)
 戦時中のエピソードを下敷にした作品やアドルフなど戦争関係の原画がここに。

・代表的なキャラクター(とスターシステム
 手塚展でよく見るコーナー。作品中の小道具が各所にあったのだけど、元々誰が何のために作ったのかがわかるとよかった。

・原画でBJ1話読めるコーナー
 寿司屋さんが手をとっかえる話が出ています。BJの中で代表的なエピソードとはちょっと思えないので、全頁カラー(2C含む)なので見映えという点でこれが選ばれたのかな?

・交友関係
 北杜夫星新一など。北杜夫所蔵の「COM」「ガロ」が美品が多かったです。MEG−CONの音ナシ映像にラジオ音声をつけた映像の編集がネ申! 特に渡辺啓助のところ。渡辺啓助が動いてしゃべっているように見える(よく見ると口の動きとあってないんだけど)。

・主な作品
 記念館の作品の特集展示でもよくやっている形式(あそこほどは細かくない)。すでに誰かがつっこんでいると思うけど、BJを「短編小説集」としていたのは何かのまちがいではないだろーか。400字詰め原稿用紙に書かれた描かれなかった作品の構想メモも。

・トリビュート
 有名人コメントのパネル。早川美竹さんのコメントが「マンガから漫画へ」というタイトルなんだけど、この表記に何の意味があるのかわからず。どういう違いがあるものとして使ったのかがすごく気になりました。

・ファン
 手塚さんからのハガキやサイン本などファンとの交流がわかる資料展示。来館者がコメントを書くコーナーも。ここで全集も読めます。

 全体の感想。

 会場が世田谷文学館なので文学館的な展示です。マンガの絵の言及は基本的にはありません。内容と人物像をほりさげていくというか、まあ、そんなカンジの展示。複雑な形状の会場ですが、原稿を右から順に見ようとしなければほぼ迷わず回れると思います(展示が右から流れたり、左から流れたりなのでまんがの原稿をスンナリ見るのはできない部分がけっこうあります)。

 とにかく原画がたっぷりなのがスゴイです。アトムの扉絵とか最初のコーナー近辺にあったのが特に私は好きでした。明らかに紙焼きのとか後年の描き直し原稿なんかも「初出時の直筆原稿」として出しているのはマイナスかな。全種類の単行本にあたれる人でないとこれだけの分量のキャプを正しくつけていくのはムリなので多くは望みませんが、初出のものなのかそうでないかくらいはわかるようにしてあったほうが親切だと思います。

 これから行く人むけのメモ(?)。

 最後の読書&コメント書きコーナーにキャラクター名クイズがあります。キャラ名は案外きちんとおぼえていないものなので、すぐ横にある図録や全集で確認されることをオススメします。プレゼントは絵葉書でした(同一の葉書はグッズ売り場で販売しています)。ひとつだけ私にとってむずかしいのがありました。作品はすぐにわかり、そばにあった全集で確認したのですが、問題に使用されている絵と同一の絵が見つからず。答え合わせをしたところ、最初に思い浮かべたものであっていたのでよかったです。あの問題はどこから絵をとったのだろーか……。

 展示の最初と最後だけ写真が撮れるコーナーがあります。アトム、サファイア、BJの等身大(?)の人形近辺です。1F常展入口近くにコイン返却式のロッカーがありますが、撮影器具は預けずにおられたほうがよろしいかと。