トークイベントで紹介した作品

 本日下記イベントに登壇しました。

・イベント「今こそ読みたい戦後怪奇マンガ&『戦後怪奇マンガ史』」
   http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/archives/t_event93.html

 下記展示の関連イベントです。

・展示「米沢嘉博の『戦後怪奇マンガ史』展 〜怪奇・恐怖マンガの系譜1948-1990〜」
    http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-kaikimanga.html

 事前に登壇者からおススメをーというお題をいただいていました。固有名詞補完の意味をこめて、紹介した作品をまとめます。
 『戦後怪奇マンガ史』入っていないものだけど入っていてもおかしくないんじゃない?という基準で選びました。
 
 
(1)菅沼要、他「セクシー妖怪・怪人シリーズ」(「漫画Q」)

 これの前の「セクシー怪獣シリーズ」と内容上の区別はないが怪奇マンガイベントなら「妖怪」と入っていたほうがよいという判断。説明なんかより絵を見ればアホさが伝わるまんが。

 総集編別冊「セクシー怪獣大暴れ」があり、「セクシー妖怪・怪人シリーズ」「セクシー怪獣シリーズ」の2/3くらいを収録。この総集編は単行本化されているので読めます(現在は電子版あり)。こちらも説明するより絵を御覧いただければ魅力が伝わる作品。

セクシー怪獣大暴れ (モンド・エロチカ (No.01))

セクシー怪獣大暴れ (モンド・エロチカ (No.01))

 未収分は一部米トで読めます。

 掲載は「セクシー怪獣シリーズ」は1967.3.22−1968.8.21。「セクシー妖怪・怪人シリーズ」は1968.10.30-1969.11.26の掲載を確認。これ以降も掲載されている可能性があります。

当日紹介した図版の掲載号:
すべて「漫画Q」
1967.4.5 28号「キング・マンゴ対ファイティング・マラダ」
1968.11.13 69号「中絶女性を呪うダタイ童子
1968.12.25 72号「女の肌を狙うナメクジル」
1969.2.5 75号「女にたたる棒状化物 タッタリ坊」
1969.3.5 77号「魔人ハレンチン」

 
 
(2)伊藤まさや「美しい人間」(「ロリポップ」1986.2-1989.4)
 シークエンスをつなげたような美しい画面を見ていただきたく紹介。
 1回単行本の広告が打たれたものの刊行されず。「ロリポップ」をまんべんなく所蔵しているところはなく、所蔵館自体が少ないです。初回最終回を含めた一部が米トで読めます。*1
 

当日紹介した図版の掲載号:
すべて「ロリポップ
1986.2 第1回
1989.1 第30回

 
 
(3)山岸作品

 『戦後怪奇マンガ史』は山岸凉子さんについて3章にわたって記述があります。「ねむれる森の…」「ひいなの埋葬」「天人唐草」「黒のヘレネー」といった「ホラー」といって思いつくものからややはずれたものに紙幅をとる一方で典型的なホラー作品である「千引きの石」といった作品はとりあげられない……みたいな話をし、下記作品のタイトルをあげつつの絵をお見せいたしました。

「千引きの石」
「夏の寓話」
「愛天使」
「ストロベリー・ナイト・ナイト」
「ある夜に」
八百比丘尼
「黄泉比良坂」
「天鳥船」

 こちらの作品はすべて「山岸凉子スペシャルセレクション」(潮出版)で読めます。

https://www.usio.co.jp/html/yamagishi_special_selection/index.html
『II 汐の声』→「八百比丘尼」「天鳥船」
『III 神かくし』→「黄泉比良坂」
『VI 夏の寓話』→「夏の寓話」「千引きの石」
『VIII 二日月』→「愛天使」
『XII 妖精王2』→「ストロベリー・ナイト・ナイト」
『XIII 妖精王』→「ある夜に」

 
 
(+α)『ピーヨと魔法の果実』(しちみ楼)

 1980年代以前、というしばりを失念して選んでしまって削除したけど「最後にひとことー」の持ち時間を使って紹介したもの。
 現在、ホラーまんが専門誌がなく*2、ホラーまんがの連載がなかなか成り立ちづらい状況にあります。「りぼん」の「絶叫学級」シリーズ(いしかわえみ)が少女まんが誌のなかでは唯一の大きな作品といっていいのではないでしょうか。*3

 リイド社のウェブでホラーまんがの連載がいくつかあり、「恐ろし屋」というホラー専門のウェブ媒体もあります。ホラー作品の連載作品がいちばん多いのはリイド社ではないかと考えられています。

 そんな中でファンタジー枠で掲載されているのが「ピーヨ」です。かわいいけど怖いみたいな作品で、これも米好みかなあということでサラッと紹介しました。

    https://www.leed.co.jp/9784845851898
 
 



 
 

*1:私は個人的に稀見理都さんに読ませていただきました。

*2:「Nemuki+」を何と考えるかによってちがってきます。

*3:「Nemuki+」を何と考えるかによってちがってきます。