ローマの休日

ローマの休日 (Feelコミックス ロマ×プリコレクション)

ローマの休日 (Feelコミックス ロマ×プリコレクション)

・『ローマの休日』(水野英子祥伝社
 ひきつづきバタバタしているのでとりいそぎのご紹介というかサラッとうんちくを。

 タイトルをご覧になってのとおり、同名映画のまんが化です。映画は有名ですので説明省略。
 
 今回の単行本化は著作権が切れたことにより実現したもの。個人的には表紙もバッチリ当時の絵であるところがうれしいです。とにかくアン王女がかわいいのー。

 これはもともとは「りぼん」1963年9月号の別冊ふろくとして描かれました。カラーシリーズですので表紙はもちろん内藤洋子ちゃん。
 当時のカラーシリーズには交換コーナーがありまして、これを探求で希望するものを読んだ記憶があります。カラーシリーズの中でどれが特に評判がよかったのかは定かではないのですが、「ローマの休日」は評判がよかったと考えていいと思います。

 「ローマの休日」は、カラーシリーズの再録2本を目玉として創刊された「別冊りぼん」創刊号(1966年春の号)に再掲載されています(私が持っているのはこちら)。
 もともとは写真表紙の別冊ふろくですから、いきなり本文でした。この再掲載の際に扉絵が描きおろされています。それが今回の表紙絵です。だから、上では「当時の絵」と書きましたが正確には2年4ヶ月後くらい後の絵ですね。
 で、この再録が行われた時に実は末尾の描きかえもされおり、ページが増えています。以後、これが水野版「ローマの休日」の定本となりました。といっても「別冊りぼん」以降、今年の「ロマ×プリ」に掲載されるまでどこにも収録されていないので定本もナニもないんですが。今回の単行本化に使用されているのも「別冊りぼん」のものです(とにかく原本提供された方のご決断に感謝と敬意を表します)。

 これが単行本としてまとめられたことがうれしいです。

 同時収録はO・ヘンリー「賢者の贈り物」を元にした「ある雪の夜の物語」。初出は「ゆりかご」(日文社)。牧先生が表紙の貸本短編誌ですね。こちらも水野先生のスゴ腕を堪能できます。

 とにかく読んでみてかわいさを堪能してください。